3.放課後教室等について
(1)利用児童数の現状と指導員体制や施設整備の課題について
(橋本 質問)
平成27年度~31年度版の『根室市放課後子どもプラン』によると、市街地3か所に放課後教室が設置された平成23年度以降、登録児童述べ人数は少子化にもかかわらず増加傾向にある。
また今年度から利用学年の拡大などに伴って、成央・花咲・北斗・歯舞では年度当初から登録人数が定員をオーバーする申し込みがあったと聞いている。
5月に会派として北斗放課後教室を見学した時点では、利用人数が増えたことと合わせて特別な支援を必要とする児童への対応などから従来の指導員体制での負担増、また施設そのものが手狭な状況になっている状況が懸念された。
現在の放課後教室の利用児童数の状況や指導員の体制がどのような状況になっているのか、また放課後教室の現状に対して市教委としてどのような課題を認識しているのか。
(教育長 答弁)
北斗、花咲、成央の3放課後教室の利用状況は、
今年の4月から8月末までの利用児童数は、延べ17,842名。一日平均で142.7名、教室別で北斗49.7名、花咲は47.3名、成央48.8名。
また、指導員の体制は北斗、花咲、成央の3放課後教室で18名。
その他に特別な支援を必要とする児童について専門的な立場で指導員を巡回指導する特別支援員1名を配置し、子どもたちが放課後を安心して過ごせるよう対応している。
北斗放課後教室では、5名の指導員が児童の対応にあたっているほか、特別支援員1名を配置している。
また施設は、多目的室、図書室、児童教室、職員室の4教室を配置し、国で定める児童一人当たりの占有面積おおむね1.65平方メートル以上の2倍となる3.4平方メートルを確保するなど、より広い空間での遊びの場の環境づくりに努めている。
放課後教室には専用体育館が無いなどの課題も存している。
今後においても、根室市の次代を担う子どもたちの育成のため、より良い居場所づくりを目指し、学校、指導員、コーディネーターなどと連携のとれた運営を心がけながら、子どもたちにとって、安全・安心に楽しく過ごせる放課後活動の環境づくりに努めていきたい。
(橋本 再質問)
放課後教室のパソコンがネット環境もなく、古い機種を使用している。
ICTが推進されているなか、市全体の情報管理の中で照らし合わせて、適正なコンピューターの導入のあり方について改めて検討が必要ではないか。
(教育長 答弁)
放課後教室には、事務作業用コンピュータを北斗に3台、花咲に5台、成央に3台、合計11台配置しており、月間報告や日誌の記入、保護者へのおたより等の作成に使用している。
放課後教室における事務作業用コンピュータの在り方は、改めて、現場の声を聞きながら指導員やコーディネーターの業務内容やセキュリティ問題などについて確認、整理する必要があるものと判断している。
(橋本 再質問)
1日あたり最大の利用人数と最少の利用人数はどのようになっているか? また昨年度と比較しての利用状況としてはどうか?
(教育部長 答弁)
今年度の4月から8月までの1日当たりの放課後教室の最大利用人数は北斗77名、花咲77名、成央75名。 最小人数は北斗2人、花咲2名、成央5名。
昨年度の同時期と比較して、北斗・花咲、それぞれ16名増加、成央7名増加、最小人数については北斗2名、花咲1名、成央4名、それぞれ増加している。
(橋本 再質問)
指導員体制についても視察に行ったときには長年勤務されていた方が退職されたことや、また歯舞児童教室の指導員についても1名欠員状態が続いていると担当課から聞いている。
利用児童が増えて、指導員が欠員で、さらにベテラン指導員が退職されたということは、スタッフの経験年数なども含めた観点ではどうなのか?
市教委として、指導員体制について課題として認識されているのか。
(教育長 答弁)
現在勤務している嘱託指導員の約半数は、20年以上の経験を有するベテラン指導員であり、近年、そのベテラン指導員も含めて退職が増加傾向にある。
その補充は、各報道機関や職業安定所等を通じて募集を行い採用に向け努力を続けているが、なかなか応募者がなく欠員状態となっている
このことは放課後教室の運営に少なからず影響を及ぼしているものと認識している。
今後とも、子どもたちの放課後教室の利用に支障が生じないよう、指導員と十分に協議し協力を求めながら、 また土曜・月曜日雇用の臨時職員も活用しながら施設の運営にあたっているところであり、今後とも考えられるあらゆる手段を検討し、対応していきたい。
(橋本 意見のみ)
専門職の人員配置は地域的な課題もあり容易でないことは聞いている。
現場スタッフの意見や知恵を借りながら、いろいろな手段を活用するような「連携のとれた運営」をこれまで以上にしっかりと推進していくことが大切ではないか。
(橋本 再質問)
北斗放課後教室を視察した時点では特別な支援を必要とする児童が増えているという話を聞いたが、実態としてどのような状況なのか?
また特別支援員1名が巡回指導をおこなう、という考え方は理解できるが、現実問題として可能な「働き方」なのか?
実態として指導員と一緒に子たちの対応にあたっている。北斗にはりつけで他の教室を巡回指導する余裕があるとは言えないのではないか。
入所の受け入れは、いわゆる日常生活動作が自立しているかどうかが主な基準となっている。
ただし実際に受け入れたあとの人手が必要かどうかは、当然ながらトイレが自立しているかどうかなどだけで判断できるものではない。
放課後デイサービスの動向とも関連してくるが、おそらく今後もそうした特別の支援を必要とする子どもたちは放課後教室にも増えてくると考えられる。
本来的には、特別支援員などの体制は子どもたちの受け入れ状況に応じて、各教室に個別に配置することが望ましいのではないか。
また当然ながら特別支援員だけで対応するものではなく、今後も特別な支援を必要とする児童が増えてきた場合は、指導員の体制そのものがどうなのか、という課題についても十分に検討していく必要があると考える。
(教育長 答弁)
現在、特別な支援を必要とする児童の利用状況は、北斗放課後教室では5名、花咲1名、歯舞2名。
昨年度より全体で1名増えている状況にある。
北斗放課後教室に配置している特別支援員は、各放課後教室を巡回し、指導員の能力・技術向上を目的に配置しておりますが、配置目的に沿った運用がされていない現状にあり、改めてその配置目的を徹底するとともに、
特別支援員の配置の在り方や指導員の体制について、特別な支援を必要とする児童の状況を考慮しながら、適切に判断していきたい。