2015年9月20日日曜日

2015年 根室市議会 9月定例月議会 一般質問 3/3

3.放課後教室等について
(1)利用児童数の現状と指導員体制や施設整備の課題について 

(橋本 質問)
 平成27年度~31年度版の『根室市放課後子どもプラン』によると、市街地3か所に放課後教室が設置された平成23年度以降、登録児童述べ人数は少子化にもかかわらず増加傾向にある。
 また今年度から利用学年の拡大などに伴って、成央・花咲・北斗・歯舞では年度当初から登録人数が定員をオーバーする申し込みがあったと聞いている。
 5月に会派として北斗放課後教室を見学した時点では、利用人数が増えたことと合わせて特別な支援を必要とする児童への対応などから従来の指導員体制での負担増、また施設そのものが手狭な状況になっている状況が懸念された。
 現在の放課後教室の利用児童数の状況や指導員の体制がどのような状況になっているのか、また放課後教室の現状に対して市教委としてどのような課題を認識しているのか。

(教育長 答弁)
 北斗、花咲、成央の3放課後教室の利用状況は、
 今年の4月から8月末までの利用児童数は、延べ17,842名。一日平均で142.7名、教室別で北斗49.7名、花咲は47.3名、成央48.8名。
 また、指導員の体制は北斗、花咲、成央の3放課後教室で18名。
 その他に特別な支援を必要とする児童について専門的な立場で指導員を巡回指導する特別支援員1名を配置し、子どもたちが放課後を安心して過ごせるよう対応している。
 北斗放課後教室では、5名の指導員が児童の対応にあたっているほか、特別支援員1名を配置している。
 また施設は、多目的室、図書室、児童教室、職員室の4教室を配置し、国で定める児童一人当たりの占有面積おおむね1.65平方メートル以上の2倍となる3.4平方メートルを確保するなど、より広い空間での遊びの場の環境づくりに努めている。

 放課後教室には専用体育館が無いなどの課題も存している。
 今後においても、根室市の次代を担う子どもたちの育成のため、より良い居場所づくりを目指し、学校、指導員、コーディネーターなどと連携のとれた運営を心がけながら、子どもたちにとって、安全・安心に楽しく過ごせる放課後活動の環境づくりに努めていきたい。

(橋本 再質問)
 放課後教室のパソコンがネット環境もなく、古い機種を使用している。
 ICTが推進されているなか、市全体の情報管理の中で照らし合わせて、適正なコンピューターの導入のあり方について改めて検討が必要ではないか。

(教育長 答弁)
 放課後教室には、事務作業用コンピュータを北斗に3台、花咲に5台、成央に3台、合計11台配置しており、月間報告や日誌の記入、保護者へのおたより等の作成に使用している。  
 放課後教室における事務作業用コンピュータの在り方は、改めて、現場の声を聞きながら指導員やコーディネーターの業務内容やセキュリティ問題などについて確認、整理する必要があるものと判断している。

(橋本 再質問)
 1日あたり最大の利用人数と最少の利用人数はどのようになっているか? また昨年度と比較しての利用状況としてはどうか?

(教育部長 答弁)
 今年度の4月から8月までの1日当たりの放課後教室の最大利用人数は北斗77名、花咲77名、成央75名。 最小人数は北斗2人、花咲2名、成央5名。
 昨年度の同時期と比較して、北斗・花咲、それぞれ16名増加、成央7名増加、最小人数については北斗2名、花咲1名、成央4名、それぞれ増加している。

(橋本 再質問)
 指導員体制についても視察に行ったときには長年勤務されていた方が退職されたことや、また歯舞児童教室の指導員についても1名欠員状態が続いていると担当課から聞いている。
 利用児童が増えて、指導員が欠員で、さらにベテラン指導員が退職されたということは、スタッフの経験年数なども含めた観点ではどうなのか? 
 市教委として、指導員体制について課題として認識されているのか。

(教育長 答弁)
 現在勤務している嘱託指導員の約半数は、20年以上の経験を有するベテラン指導員であり、近年、そのベテラン指導員も含めて退職が増加傾向にある。
 その補充は、各報道機関や職業安定所等を通じて募集を行い採用に向け努力を続けているが、なかなか応募者がなく欠員状態となっている
 このことは放課後教室の運営に少なからず影響を及ぼしているものと認識している。
 今後とも、子どもたちの放課後教室の利用に支障が生じないよう、指導員と十分に協議し協力を求めながら、 また土曜・月曜日雇用の臨時職員も活用しながら施設の運営にあたっているところであり、今後とも考えられるあらゆる手段を検討し、対応していきたい。

(橋本 意見のみ)
 専門職の人員配置は地域的な課題もあり容易でないことは聞いている。
 現場スタッフの意見や知恵を借りながら、いろいろな手段を活用するような「連携のとれた運営」をこれまで以上にしっかりと推進していくことが大切ではないか。

(橋本 再質問)
 北斗放課後教室を視察した時点では特別な支援を必要とする児童が増えているという話を聞いたが、実態としてどのような状況なのか?
 また特別支援員1名が巡回指導をおこなう、という考え方は理解できるが、現実問題として可能な「働き方」なのか? 
 実態として指導員と一緒に子たちの対応にあたっている。北斗にはりつけで他の教室を巡回指導する余裕があるとは言えないのではないか。
 入所の受け入れは、いわゆる日常生活動作が自立しているかどうかが主な基準となっている。
 ただし実際に受け入れたあとの人手が必要かどうかは、当然ながらトイレが自立しているかどうかなどだけで判断できるものではない。
 放課後デイサービスの動向とも関連してくるが、おそらく今後もそうした特別の支援を必要とする子どもたちは放課後教室にも増えてくると考えられる。
 本来的には、特別支援員などの体制は子どもたちの受け入れ状況に応じて、各教室に個別に配置することが望ましいのではないか。
 また当然ながら特別支援員だけで対応するものではなく、今後も特別な支援を必要とする児童が増えてきた場合は、指導員の体制そのものがどうなのか、という課題についても十分に検討していく必要があると考える。

(教育長 答弁)
 現在、特別な支援を必要とする児童の利用状況は、北斗放課後教室では5名、花咲1名、歯舞2名。
 昨年度より全体で1名増えている状況にある。
 北斗放課後教室に配置している特別支援員は、各放課後教室を巡回し、指導員の能力・技術向上を目的に配置しておりますが、配置目的に沿った運用がされていない現状にあり、改めてその配置目的を徹底するとともに、
特別支援員の配置の在り方や指導員の体制について、特別な支援を必要とする児童の状況を考慮しながら、適切に判断していきたい。

2015年 根室市議会 9月定例月議会 一般質問 2/3

2.地域医療構想の策定に向けた地域の取り組みについて
(1)現状分析と市民意見の反映について 

 これから都道府県ごとに策定する地域医療構想は、国にとっては「医療・介護提供の適正化」にむけた重要課題。
 いわゆる「病床削減」については国や道はそれを目的とするものでないとの否定する見解を示しているが、そもそも医療費を削減のために急性期を減らすというのが当初の目的。
 さらに国として今後は都道府県の「医療適正化計画」とリンクさせる方向性などを示しており、今後さらにいろいろな形で影響などを強めていくことは十分考えられる。
 都道府県ごとにいかに医療給付費を削減できるか競争させるための仕組みづくりであることが明確に示されている。
 また地域が主体的に医療構想を議論したのだから、その実効性や実績に対して地域側の責任が問われてくるのではないかということも懸念している。
 しかし医療や介護の給付費を抑制したい、というはあくまでも国の思惑。
 それでは「地域医療構想」が地方にとってはどんな意味があるのか、ということをあらためてしっかりと考えていく必要がある。

(橋本 質問)
 現在、北海道がすすめる地域医療構想策定に対して、自治体(および自治体病院)の役割は単純にベッド数をどうする、病院機能をどうするということだけでなく、
 それぞれの地域実態をふまえた中で将来的な医療や介護・福祉のあるべき姿を議論し、その実現性を高めるための方策をつくりあげていくもの、と捉えている。
 あらためて今後、地域医療構想策定にあたって市立病院だけでなく市としてどのような観点を重視して、取り組んでいこうとしているのか。

(市長 答弁)
 地域医療構想は2025年を見据え、医療介護総合確保推進法に基づき、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築とともに、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、都道府県が医療計画の一部として策定することとなっている。
 構想区域の設定は、2次医療圏を原則とし、地域における議論の場として地域医療構想調整会議を設置し、検討を行うこととされており、根室圏域においては、9月1日に第1回目の「根室圏域地域医療構想調整会議」が開催された。
 その中で、道の策定方針、必要病床数の推計結果や今後の策定スケジュール等が示された。
 市として、今後の少子・高齢化の進展、現状の医療・介護サービスの提供体制などの問題点や地域の実情を踏まえ、将来を見据えた構想となるよう、根室市外三郡医師会などの意見を伺い、今後の調整会議の場において道と協議していきたい。

(橋本 再質問)
 まず前提として地域性を考えた場合に、現在の2次医療圏にもとづく地域医療構想区域から、さらに「根室市」を切り取って考える必要があると考える。
 そのうえで、今から10年後に向けて、市立根室病院を中核として他医療機関、介護福祉機関などをふくめた根室「市内全体で」おおむね完結可能な医療機能のあり方(国の言い方だと地域完結型)を考えていく。
 どこまでを市内でまかなうべきなのか、どこから他の地域と連携するしかないのか。そのための医療体制(主に人員体制)を実現させるための具体的方策はどうするのか等。
 ただし、これまで市として医療(介護・福祉とのリンクについても)について「市全体」の構想を議論する場がなかったこともあり、こうしたテーマで広い立場から地域住民や介護福祉を含めた関係団体の意見をくみ取ることが容易でない。
 また専門的な課題もあり一律なレベルで議論できる場を設定することは難しいかもしれないが、広い市民が参加できる地域医療問題を考えるシンポジウムなどの開催や、従来実施してきた出前講座の拡充(参加者やテーマを広げて)、関係機関との多様な懇談・会議の場の設定(ワーキンググループ等も)などの機会を数多く開催していくことから、まずはじめることが必要ではないか。

(市長 答弁)
 道から示された策定方針の中で、医療・介護サービスの受け手である市民への説明や意見を伺う機会を設けることについて、現在、検討中であると聞いている。
 市としても、広く市民の意見を聴くことは、大変重要であると考えている。関係機関と連携・協議しながら、必要に応じ検討していきたい。

2015年 根室市議会 9月定例月議会 一般質問 1/3

2015年9月15日に、根室市議会9月定例月議会で行われた橋本の一般質問の内容を一部抜粋・要約してご報告します

1.「経済財政運営と改革の基本方針2015」と社会保障改革について

(1)市民生活の現状と今後の給付抑制政策の影響について

(橋本 質問)
 「骨太の方針2015」では歳出改革の重点分野して社会保障、社会資本整備、地方行財政に対する抑制・削減の方向性を示している。
 社会保障分野は高齢化に伴い増加する自然増部分を2018年度までの3年間で、過去3年間と同程度の1.5兆円程度の増加を目安にするとされている。
 過去3年間と同程度といっても、この過去3年間は無秩序に社会保障経費が伸びたわけではなく、70-74歳の患者負担2割化、年金のマクロ経済スライド発動、生活保護扶助費削減などの改革を推し進める中で圧縮されてきたもの。
 今後の自然増を同程度に抑えるということは社会保障給付に対してこれまでの改革にプラスαで「新たな削減」対策を進めなければ達成できない、ということ。
 こうした国の政策方向性が市民生活に対しても大きな影響を与えるものと考えられるが、これらについて市長としてどのようにとらえているか、所見を伺う。

(市長 答弁)
 6月30日に「経済財政運営と改革の基本方針2015」が閣議決定され、平成32年度までに基礎的財政収支の黒字化を図るため、社会保障改革を重点分野に、医療・介護提供体制の適正化など、歳出改革に盛り込まれている。
 急速な少子高齢化社会の中で、子育て支援、医療、介護など、社会保障ニーズが拡充していることに加え、法定の各種施策をはじめ、様々な単独施策を展開するなど社会保障制度の充実が強く求められており、こうした課題に対応するための国の役割は大変に重要。
 今後、国の動向に注視し、福祉、医療などの市民生活に直結する社会保障サービスの低下に繋がらないよう全国市長会を通じ国に対し、要請する。

(橋本 再質問)
 連続的な社会保障削減に対して、それによって市民生活がどうなっていくのか、という観点で見ていく必要があると考えている。
 例えば市中の経済動向との関係では今後のサケマス流し網問題に関連する影響、つまり直接従事していた方や関連した産業に従事する方々の収入や生活状況がどうであるのか、という点から、そのときどきに何が起こっているのか状況の把握・分析をあわせて行っていくことが必要ではないかと考える。
 また今回の根室市人口ビジョンでも若い世代の結婚・出産・子育てに関して、特に結婚に関して「経済的理由」が多く不安要因として挙げられている。
 自治体レベルの対策として今後の総合戦略策定の中で進められていくことになるが、国の社会保障そのものが切り下げられてきている状況で本当の意味で有効な施策になっていくのか、とても難しい課題。
 現在の市民生活の状況と政府の政策動向を重ね合わせ、市民を守る立場から国に対しての発言をしていくことが市長答弁したように必要。
 その上で、市として出来る対策を都度検討することを重視しながら、市政施行を進めるべきではないか。

(市長 答弁)
 社会保障制度について、各種施策の具体的な内容や当市の地域性を踏まえ、市民生活に大きな影響を及ぼすことのないよう、引き続き「国と地方の協議の場」において、地方の意見が反映されるよう、全国市長会を通じ国に要請していく。
 今後も経済的な理由により、必要な社会保障サービス等が受けられないことのないよう、相談体制の充実はじめ、各種減免制度や生活困窮者自立支援制度の積極的な活用を促すなど、民生委員や地域との連携による見守り体制を強化しながら、相談事案に応じたきめ細やかな対応に努める。

(橋本 意見のみ)
 昨年の高潮災害のときに、市として様々な対策を俊敏に打ち出した。その一つで国保や税の減免窓口などを設置するなどの対策をとった。
 これからのサケマス流し網禁止も含めた産業や経済状況の変化による影響は、災害ほど急激なものでないかもしれない。
 市民生活への影響もどこまで広がるのか、十分に注視していかなければ、把握しにくい問題だと考えられる。

(橋本 再質問)
 市中経済の動向と関係なく高齢化の進行により経済力が低下し生活困窮となる市民が増えていく状況は、たとえば市の生活保護受給者の増加にもあらわれている。
 前述の社会保障削減は間違いなくこうした状況に拍車をかける。
 答弁で「見守り体制の強化」と言っていたが、地域にうずもれている人、声高らかにSOSを発信できない人、あるいは自分の生活に問題があるということを認識していない人もいる。
 今年度から生活困窮者支援の制度がスタートしたところだが、そうした制度をより有効に活用していくためには、地域の中でこうした生活困窮者をいち早く発見できる仕組みが求められるものと考える。

(市民福祉部長 答弁)
 今年4月から社会福祉協議会への業務委託で、「ねむろ日常生活サポートセンター」としてワンストップ型の相談窓口を開設。
 広報ねむろやホームページへの掲載をはじめ、関係機関への制度案内やリーフレットを配布するなど、広く市民周知を行なった。
 生活困窮者からの相談件数は、8月末現在では26件。
 生活上の課題を抱えながらも自ら相談窓口にアクセスできるケースばかりでないため、「待ちの姿勢」ではなく民生委員と連携し相談支援員による積極的なアウトリーチを行い、生活困窮者の早期把握・早期発見に努めている。
 生活困窮者に対する支援は、社会福祉協議会をはじめ、民生委員や地域との連携を図りながら積極的な相談業務を行ない、事案に応じて迅速できめ細やかな対応に引き続き努めたい。

2015年9月8日火曜日

2015年 9月定例月議会 一般質問の項目

2015年9月8日

9月定例月議会で日本共産党の3名が通告した一般質問の項目は次の通りです

9月15日(火曜日)

2番目 橋本 竜一
1.「経済財政運営と改革の基本方針2015」と社会保障改革について
(1)市民生活の現状と今後の給付抑制政策の影響について
2.地域医療構想の作成に向けた地域の取り組みについて
(1)現状分析と市民意見の反映について
3.放課後教室等について
(1)利用児童数の現状と指導員体制や施設整備の課題について

3番目 鈴木 一彦
1.「地方創生」及び「2016年度国の予算(概算要求)」と根室市政について
2.「子どもの貧困」問題について
3.根室市にあるべき高等学校(教育)について

5番目 神  忠志
1.日ロの国際関係と根室市の立ち位置について
2.サケ・マス流し網漁業関連への対応のあり方について
(1)緊急を要する課題への取り組みについて
(2)道との連携とその課題について
(3)将来を見据えた対策への対応について
3.異常気象に対する防災・減災対策について
(1)異常気象への「制度的改善」の必要性について
(2)中心商店街の減災対策の考え方
4.地域コミュニティと公民館活動の重要性について

2015年9月定例月議会および2014年度決算審査特別委員会の日程

2015年9月8日

根室市議会議会運営委員会が開催され、9月定例月議会の日程(案)などについて確認しました

9月15日(火)
 10時~ 本会議
  一般質問 5名(久保田議員・橋本・鈴木議員・工藤議員・神議員)
9月16日(水)  10時~ 本会議
  一般質問 4名(足立議員・本田議員・北川議員・永洞議員)  提出議案説明など
9月17日(木)

 10時~ 総務常任委員会
9月18日(金)
 10時~ 予算審査特別委員会
 16時30分~ 本会議
  各委員長報告など採決
  人事案件など

9月28日(月)

 10時~ 一般会計決算審査特別委員会(議会費・総務費・消防費)
 10時~ 各事業・特別会計 〃 (港湾整備・水道事業・下水道事業・流通加工・農業用水)
9月29日(火)

 10時~ 一般会計決算審査特別委員会(民生費・衛生費・土木費)
 10時~ 各事業・特別会計 〃 (市立根室病院)
9月30日(水)
 10時~ 一般会計決算審査特別委員会(労働費・農林水産業費・商工費)
 10時~ 各事業・特別会計 〃 (交通共済・国民健康保険・介護保険・後期高齢者)、採決
10月1日(木)
 10時~ 一般会計決算審査特別委員会(労働費・農林水産業費・商工費)、採決
10月2日(金)
 15時~ 本会議
  各決算委員長報告、意見書案など採決