今年3月、根室港の「港湾計画の軽易な変更」が行われました。
これにより、中央地区整備に海岸町物揚場の増深化等の整備を追加し、沿岸漁業の水産基地機能として強化が図られます。
南地区整備(本町・弥生町の付近)では規模縮小と施設の集約化が計画されました。
変更後の計画は、荒天時の越波が頻発していた海岸町物揚場について、増深化と前出し、嵩上げ等の改良を行い、高潮等の災害対策を進める内容となっています。
また南地区整備では、従来の計画から半分くらいの規模に縮小します。
北方四島交流船「えとぴりか」などが停泊できる旅客バース等の新設、中心市街地の賑わいにつなげる交流用の緑地等の新設、また老朽化する弥生町船だまりの代替施設の新設など行い、その施設機能を従来計画より東側(本町側)に集約する計画となっています。
国の責任により整備推進が期待される南地区 |
今回、計画に追加された根室港区中央地区整備。 奥に見える根室漁業付近の海岸町物揚場について、浸水対策のため11mの前出しと天端高の50㎝嵩上げを行う。 また増深することで中央地区全体の水深を4.0メートルに統一し利便性の向上を図る。 |
現在の港湾計画は1992年に改訂されました。
それから約30年が経過し、社会状況は大きく変化してきました。
近年は漁業不振が続き、また災害の頻発化など新たな課題への対応が求められきたそうです。
さらに四島交流拠点として、高齢化が進む元島民をはじめとする利便性の向上が必要でした。
こうした中、市は地域の関係者等の意見を踏まえながら、計画の変更作業をすすめ、この度、地方港湾審議会の承認をうけたものです。
根室市は中央地区整備の工事にむけ今年度、基礎的な調査を実施する予算を計上しました。
市の担当課によると、翌2023年度には実施設計を行い、その後は国の補助事業を活用しながら改良工事を進めていきたい、とのことでした。
一方で南地区整備については、多大な費用がかかることが従来からの課題でした。
これまでも根室市は北方四島との交流拠点として国の責任による整備推進を強く求めてきましたが、計画を縮小しても、それを実現することは大変な困難が予想されます。
いまロシアのウクライナ侵略のために、日ロ関係では四島交流も漁業外交も深刻な状況を迎えています。
国は内政措置である隣接地域振興対策について、抜本的に見直しを図る必要があるものと考えます。
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