日本共産党の釧根地区委員会と根室管内地方議員団は、
北海道と根室振興局に対して、来年度予算編成にむけて管内住民の地域要望について要望書を提出し、根室振興局の担当さんと意見交換を行いました
これは日本共産党として毎年実施しているもので、
66項目の要望事項を提出しました
今回提出した要望事項は次の通りです
根室管内 共通 要望事項
1.TPP等貿易協定に関する問題
(1) 国会決議に反するTPP交渉からの離脱を強く国に要請するとともに、引き続き関係団体と連携しながら「TPP参加反対」の道民世論のさらなる喚起と運動を強めること。
(2) 牛肉関税を段階的に引き下げるなどを内容とした日豪EPA合意は衆参両院の農林水産委員会決議に反するものであり、撤回を国に求めること。
2.原発・エネルギーに関する問題
(1) 泊原発の再稼働及び営業運転を認めないこと。
(2) 放射性物質廃棄物の最終処分場を道内につくらないようにさせること。
(3) 道として電気料金の値上げに反対すること。
(4) 民間企業による風力、太陽光発電施設の設置計画がされる場合、企業に対して地元へ十分な事前説明会の開催について指導すること。実際の申請がされた場合、自然環境問題等に関して地元市町村の意見を十分尊重すること。道としてもその地域にふさわしい発電施設なのか的確に判断し、意見をあげること。
3.領土問題
(1) 第2次大戦の戦後処理の「領土不拡大」の大原則に立ち返り、戦後処理の「不公正」を正す立場から、歯舞・色丹の中間条約での即時返還、および平和条約の締結で国後、択捉等千島列島の返還を要求すること。
(2) 北特法第10条の利息運用の目減りの解消をはかるとともに、当初予定していた約7億円程度の地域財源に対し、国及び道が責任ある確保に努めること。
(3) 新法の制定を視野に入れた「隣接地域振興対策」にふさわしい「総合交付金」を創設すること。
4.漁業に関する問題
(1) ロシア二百海里内のサケ・マス流し網漁業関連対策について
① 漁協関係対策
(ア) ホタテ漁場の整備(根室湾側の地撒き、太平洋側の垂下式、かご養殖等の試験等)への支援
(イ) 市が設置を予定する「(仮称)栽培漁業センター」への全面的な支援
(ウ) サケ・マス養殖事業の研究
(エ) 製氷、冷凍・冷蔵施設等の共同利用施設への設置補助
② 漁業関係対策
(ア) ロシア二百海里水域の流し網からの漁法転換
対ロシア政府との事前交渉等の早期実施
国による試験操業と漁法転換への支援策
(イ) 代替漁業対策
日本水域内でのサバ・イワシ等の漁場・資源利用の調査・研究
サンマの公海での試験操業と公海での資源管理
(ウ) 国際減船の諸対策
③ 水産加工・関連産業対策
(ア) 原魚確保と輸送費等への対策と支援
(イ) 緊急的な金融対策
既存制度によらない政府系の「超長期、無利子融資」の実施
(ウ) 代替漁業が軌道に乗る期間までの経営安定支援対策
(エ) 「(仮称)北洋漁業対策基金」の創設、地元要望が反映できる運用
(2) 太平洋・落石東地区の漁場整備をはかること。
(3) 道海面漁業規則ラインの見直しを行うこと。
(4) ロシア国内情勢に影響されることのない北方四島周辺海域における安全操業の安定的継続
5.循環型酪農・畜産の確立
(1) 酪農・畜産家の経営継承を促進する対策を強化・拡充すること。
① 「新規就農総合支援事業」については、各地域の実情と農家の要望に合致した使い勝手のよい制度になるよう努めること。特に、親元就農の場合の所得制限を含めた制約を緩和し、経営継承が促進されるよう制度の改善を図ること。
② 「根釧酪農ビジョン」に経営継承のパターンが例示されるなど、政策の具体化が一定程度進んできているが、システム構築などさらに具体化を図ること。
(2) 経営規模・生産の拡大のみを追求せず、家族農業、低投入型農業の効率性や優位性に着目し、適正規模の家族農業を守る視点で農政に取り組むこと。そのためにも、環境負荷の少ない経営形態への支援を検討すること。
(3) 畜産クラスター関連事業(畜産競争力強化対策整備事業・畜産収益力強化緊急支援事業)については、現状維持型・低投入型農業経営を排除せず、対象とすること。
6.林業の育成と環境整備
(1) 河畔林整備についての調査を行い、とりわけ裸地、あるいはそれに近い状態になっている箇所における林帯の整備を早急に進めること。
7.エゾシカ対策
(1) 道のエゾシカ対策条例にもとづく施策推進と対策予算を充分に確保すること。
(2) 狩猟免許の取得等にかかる経費の助成など、捕獲の担い手の育成や活動の支援をより積極的にとること。
8.教育問題
(1) 「教職員の多忙化」についてはアンケートの結果などもあり、すでに誰もが認めるところとなっている。実際に多忙化により、心身の不調を訴えている職員もいる。振興局としては問題解決のためにどのような方策を考えているのか、具体的な方策を知りたい。
(2) とりわけ職場で大変な状況になっているのが管理職である。管理職の多忙化の原因の一つになっているのが、以下の内容だと考えるが、振興局の見解はどうか。
① 道教委からの調査物が多すぎる。道教委内でそれぞれに意味があると考えての調査だとは思うが、受け取る側の振興局、地教委、学校の負担が大きすぎる。(3日に2つは調査している。教頭の仕事は調査だけではもちろんない)
② 学力テストの採点と分析を教頭がやっている。業者に採点を依頼しているので、無駄な作業に思える。特に大規模校では負担が大きすぎないか。
(3) 教職員の長距離通勤の負担が大きい。以下の点を考慮し、異動の基準について再検討をすべきかと思うが、振興局の見解はどうか。
現在の異動の形になってから一定の年数が過ぎ、成果や問題点がある程度見えてきている時期であること。
ここ数年の間で学校統合が進み、異動の基準を決めた時と比べて各地域の学校数が大きく変化していること。
(4) 特別支援学級に在籍する児童の個別指導の時数について、道教委と各振興局の間に誤解があったという事で、道教委と振興局、地教委との間でやり取りが行われている。根室振興局においては平成22年10月の道教委の業務連絡通りの解釈で進められていると理解しているが、間違いないか。
【参考】 平成22年10月8日付 業務連絡
特別支援学級の開設については、児童生徒の状況により、就学指導委員会の意見を参考とし保護者の意見を尊重しながら、個々の児童生徒にとってどのような教育がよいのかという観点から決定されるべきものであること。
従って、必ずしも特別支援学級において過半数の授業が行われなければ学級の開設を認めないという解釈ではないこと。
(5) 管内における特別支援学校(義務制)の分校もしくは分教室の設置。
(6) 教職員の配置数の充実
① 35人以下学級の堅持と他の学年への拡充
② 非正規教員の解消と、産休や長期病欠の補償ができる教員定数の抜本的改善をはかること。
9.防災・減災対策
(1) 建築物の耐震診断及び耐震改修について、現行補助率の嵩上げ並びに補助条要件の緩和をはかること。
(2) 異常気象にともなう降雨災害等、都市環境等整備の制度の改善をはかること。
10.自然保護対策と利活用問題
(1) 道立自然公園内の木道等の整備
(2) シマフクロウの保護・増殖対策
11.医療に関する問題
(1) 地域が必要とする医療の確保にむけた取り組みの推進。(特に以下の項目については、平成26年度以降どのような取り組み状況にあるのか伺いたい)
① 自治体病院への医師派遣
② 看護師など医療技術者の確保対策
③ 不足する医療技術者の養成の取り組みと地域偏在の解消
(2) 地域の実情に対応する医療を行うため自治体病院の不採算部門等への財政支援の強化。
(3) 市立根室病院および中標津町立病院について、領土問題を抱える地域の特殊性をふまえ、四島との「医療拠点病院」として、新しい位置づけを行うよう検討すること。
(4) 地域医療構想および北海道医療計画の改定にあたって、病床削減にのみ目をむけることなく、地域の実情にそった医療が展開されるよう進めること。
12.矢臼別演習場での軍事訓練の中止・縮小
(1) 矢臼別演習場での在沖縄米海兵隊の実弾射撃訓練を中止するよう国に求めること。また、実施する場合においても、規模縮小・収束の目途をつけるよう求めること。
(2) 海兵隊は矢臼別演習場内での訓練で山火事、誤射と大きな事件、事故を起 こしている。再度事件・事故等が起こった場合は、訓練をただちに中止し本 隊に帰還するよう国に求めること。
(3) 部隊の展開・撤収の移動経路など訓練情報について、事前の速やかな情報公開を求めること。
(4) 米軍によるブリーフィングは必ず実施し、住民が司令官に直接質問できる十分な機会を設けるよう求めること。
(5) 夜間訓練を行わないよう求めること。
(6) 一般住民を含めた訓練公開を行うよう求めること。訓練公開に際し、写真撮影、録画・録音等に関する制限を設けないよう求めること。
(7) 矢臼別演習場へのオスプレイ配備は絶対に行わないこと。また、移動訓練のための飛行は絶対に行わないこと。
(8) 町内・学校行事、また、原爆投下の日である8月6日・9日や日本人の先祖供養の日であるお盆期間8月15日が終わるまでは、大きな音を立てての訓練はしないこと。
(9) 公務移動中と考えられる自衛隊車両で乗りつけ、迷彩服のまま大型店などで買い物する姿を頻繁に見かける。自衛隊員の公務移動中の買い物はやめること。また、買い物は演習場内で行えるよう配慮すること。
13.その他、諸課題
(1) 安全保障関連法案の廃案を国に求めること
(2) 地域が求める多様な子育て支援事業に対する財政支援および保育の人材確保をすすめること。
(3) 地域包括ケアの推進
① 地域間格差がますます広がることが懸念されるなか、地域で不足する社会資源の整備や人材の確保対策を市町村と協力してすすめること。
② 新しい総合事業の実施にあたってはこれまでのサービス水準が低下することの無いよう財源を保証すること。
根室市 要望事項
1.海岸浸食について
(1) 長節地区の消波ブロックの嵩上げを行うこと
(2) 浜松地区(飯沢宅前)の消波ブロックが崩れている箇所の積み戻し。
2.根室市内に特別支援学校(分校・分教室)の設置を行うこと
3.市立根室病院について
(1) 薬剤師が不在になる危機にあり、地域間格差の解消策と合わせ、市立病院が実施している確保対策への支援。
(2) 分娩再開に向けた体制整備への支援。全道的な問題であり、まずは道内に勤務する産科医を増やしていく必要がある。
(3) 医育大学の地域医療支援センターからの医師派遣について、期間延長や再派遣など制度の拡充。
4.道営住宅について
(1) 除雪や草刈りなどの周辺環境の整備
別海町 要望事項
1.道道風連湖公園線について
(1) 浸水を繰り返す危険な個所の早急な改善
現在道道風連湖公園線の補修工事が進んでおり、住民にとって安心材料の一つとなっている。現在工事中の区間とは別に、国道244号線から道道風連湖公園線に入って20メートルほどの所から、西別川が間近に迫り大雨が降ると浸水を繰り返し危険な状態となっている。救急搬送など含め走古丹に続く1本しかない重要な道路であり、早急な改善が必要。
2.道立自然公園内の浮桟橋の設置に関して
(1) 老朽化が激しい浮桟橋の新たな設置に対する北海道の速やかな審査及び承認
風連湖は北海道立自然公園条例の中でも特別保護地区に指定されているが、漁業者の生活を支える重要な湖でもある。たくさんの漁業者が利用する、糸氏宅前の浮き桟橋は老朽化が激しく、別海町は補修をしているが尚危険な状態にある。漁業者は、危険な状態が継続しており事故に繋がると考え、一刻も早く新たな設置を望んでいる。別海町として、新たな桟橋設置の検討に入ると聞いているが、北海道立自然公園条例で特別保護区に指定され、環境保護の観点からも北海道の承認を得る必要があると考える。したがって別海町から桟橋設置の申請が出された時は、速やかに審査および承認がなされるよう求める。
3.別海高校普通科を3間口に復活させること
来年度以降、町内の中学校卒業予定者が増えていく傾向にある。再来年度以降には160人代~170人代となることから、町内の子どもたちが地元の高校に通えるよう、入学間口を3学級としてほしい。
4.道々830号泉川西春別線の改良補修
道々830号線は1974年に認定されたが、現在舗装面の痛みも激しくなってきており、自動車走行のおりの振動も大きくなってきていることから、改良補修が必要。
標津町 要望事項
1.標津川の浚渫
(1) 標津川に架かるサーモン橋の上流から河口までの河床が浅くなり、鮭の遡上に悪影響を与えていることから、河床を深くする対策の実施。
2.来遊量が大きく減少しているサケ・マス不漁の要因の解明
(1) 北方四島周辺及びロシア海域における漁獲実態の解明。
(2) オホーツク海におけるサケ幼稚魚の分布調査の実施。
3.標津町の河川は大雨が降れば流木が海へ流れ出ることから、標津町の流木処理にかかる費用への財源支援をおこなうこと
羅臼町 望事項
1.根室海峡海域でのロシアのトロール漁船の即時営業阻止
ロシア連邦トロール漁船による操業が、羅臼漁協所属漁船の操業域と重複することもあり、漁具破損など甚大な被害を被っている。すけとうだら漁業を中心とした買受人組合、水産加工業・運送業界をはじめとした羅臼町の関連産業の経営も深刻な状況にあり、漁業と同様にひっ迫している状況にある。資源保護と安全操業の見地から根室海峡海域でのロシアトロール漁船の操業を直ちに阻止するよう求める。
2.羅臼漁港の整備
(1) 定低温清浄海水取水に伴う取水・送水ポンプ及び周辺機器等の更新および大規模改修
3.国道の暴風雪対策
(1) 国道335号・272号館で特に吹込みが強く交通障害になりやすい個所のスノーシェルター、防雪柵の整備
(2) 2015年3月に雪崩が発生した国道335号羅臼峯浜町峯浜漁港周辺の法面における雪崩防護柵の設置。
4.防災用避難路の整備
(1) 津波災害時に裏山へ一時避難するため、擁壁に階段を整備すること。
平成24年に北海道が示した津波到達予測時間内に徒歩での指定避難所へ避難することはできず、速やかに避難するための一時避難場所として裏山が考えられる。しかし裏山は擁壁工事などがされており登れる場所が極めて少ないため、少しでも高いところに登れるように擁壁に階段を整備が必要。整備箇所としては、徒歩で避難可能な500m程度に一カ所割合で、中心街を除く11地区でそれぞれ2から3か所必要。
5.羅臼岳登山道の整備
(1) 羅臼側ルートの整備。
(2) 危険な登山道の補修、標識、ガイドロープ等の整備と管理。
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