2015年8月17日月曜日

根室空襲犠牲者鎮魂慰霊祭

2015年8月15日

午前中に除幕式が行われた根室市平和祈念の碑

午後からはその平和祈念の碑の前で
根室空襲研究会・根室空襲犠牲者銘記す会による根室空襲犠牲者鎮魂慰霊祭が開催されました

遺族など約40人が、読経、焼香、犠牲者のお名前の奉読、刻銘の拝礼を行いました

遺族の一人である谷藤さんが代表して追悼の言葉を捧げました

 7月14日の空襲は根室港に停泊中の輸送船などが標的となり、15日は早朝より繰り返し、繰り返し飛行機からの爆弾投下、機銃掃射などの攻撃が続き、たちまち町は火の海となった。
 ある人は避難していた防空壕の中で、燃え盛る火炎を逃れようと逃げ惑う途中で、多くの人たちが為す術もなく、未来も夢も家族の団欒も、人生のすべてを断ち切られて亡くなった。
 70年たった今もあの日のことは脳裏に焼き付いて忘れることはない。
 あらためて名簿を見て、生まれて間もない赤ちゃん、幼い子どもも多く、痛ましさに胸の締め付けられる思いがする。犠牲になった人はいったいどんな罪があったというのか。
戦時中どんどん乏しくなっていった食料や、生活物資を何とか崩して、必死に毎日の暮らしを立てて、懸命に生きていた人たちだった。
私たちの経験した戦争は何一つ良いことは無かった。戦争の後に残るのは悲しみだけ。
戦後70年、平和憲法のもとで続いてきた今危ぶまれる状況となっている。
あの戦争で犠牲となった多くの方々の無念の死を思うと、再び戦争への道を歩むことは絶対に止めなければならない。いま一人ひとりの力を合わせて、この平和がいつまでも続きますように 」


根室市平和祈念の碑

2015年8月15日

鳴海公園で、戦後70年の節目として市が建立した「平和祈念の碑」の除幕式が行われました

終戦の1カ月前、1945年7月14・15日のアメリカ軍による空襲では、市街地の8割が消失し、およそ400名近い方々が犠牲となったそうです

「戦後70周年にあたり根室空襲の真実と悲劇を風化させず、
戦争のない平和な社会を築くこと、
再び悲惨な戦争が繰り返されることの無いよう市民とともに恒久平和を願うシンボルとして、
終戦記念日に根室空襲の中心地であったこの地に根室市平和祈念の碑を建立する

記念碑には根室高等学校書道部の「恒久の平和を願って」の書が刻まれており、次代を担う若い世代に平和の尊さが着実に受け継がれていくことへの強い思いが込められている。

戦争の悲劇を後世に語り継ぎ、平和への道を歩み続けることをここにあらためて誓う」

と市長は式辞でのべました

また、平和祈念の碑の裏側には、
空襲による犠牲者のお名前が記された石版が貼りあわせてあります
空襲研究がこれまで調査をすすめてきた中で判明した355名の方々で、「根室空襲犠牲者のお名前を記す会」が市民の方々に寄付を集って、市に寄贈したものです

空襲研究会会長の細川憲了氏はあいさつで

「記念碑の建立に際して、犠牲になった方の個々のお名前を後世に伝えたいという思いで、碑に刻むことを市にお願いした。
本来ならば平和な時代ならそれぞれの人が人生を全うしたはずが空襲、戦争という過酷な運命の中で生涯を閉じざるを得なかった。
そういった人々の生きた証を後世に伝えるためには、「数」ではなく一人ひとりのお名前を、人生を重ねて刻みたいという思いがあった。」

と述べられました

除幕の後、
根室混声合唱団クールエコーが混声合唱曲「夢みたものは・・・」を披露
これは一人ひとりが幸福を願う歌、平和であるからこそ幸せがある、という思いがこめられているそうです