2025年8月5日
一般社団法人漁業情報サービスセンター主催の水産業講演会「水産関係者との意見交換会」が市総合文化会館で開催されました。サンマやマイワシ、サバの海況・漁況予報や資源の見通し等について、市内水産関係者等に解説されました。
根室の経済を支えるサンマ漁。15年連続で日本一とのことで、昨年は6年ぶりに2万トンを超えました(2018年は4万3950トン)。
2024年の全国の水揚量は、約3・9万トンと2年続けて前年を上回りましたが最盛期2008年(34万3225トン)の11%程度で低い水準が続いています。
8月10日のサンマ棒受網漁の一斉解禁を前に、今年も詳細な海況や今後のサンマ漁況、マイワシ、マサバの状況について市内水産関係業者などに説明、意見交換会が行われたので聴講してきました。
「水産研究・教育機構 水産資源研究所」の冨士氏は「2025年度サンマ長期漁海況予報」について、6-7月に実施した調査結果では一区(上図の西側)の採取量が少なかった一方で、二区(上図の真ん中あたり)でまとまって採取されたことから、今年の漁期の来遊量は昨年並みの低水準となること。
漁期の前半は昨年を下回り、後半は上回ること。1歳魚の体重は昨年を上回っていること等の予測が説明されていました。
このほかマイワシの動向は増加傾向だった資源量が2022年以降は減少しており、2024年に急減した産卵量は2025年も低い状況であること。
また懸念されているマイワシの小型化について8年前に比べて平均体長が3・1㎝減少、平均体重は約半分に痩せていること等が報告されていました。
(エサ不足が主な原因と考えられています)
さらに近年は中国・ロシアによるマイワシの漁獲が急増しているそうで、今後の資源量の動向が注目されています。