2021年4月21日水曜日

障がい者の家族等(介助者)へタクシー代等が助成されます

根室市ではこれまで身体障害1級・2級の方等に対し、社会参加と地域移行促進を目的に、タクシーチケットやバス券の支給(年1万8000円)を行ってきました。

この制度について他会派の議員さんが市議会で取り上げ、市は今年度から対象を拡大しました。
「日常的に利用者の介助を行っている親族(介助者)が、利用者に変わって買い物をする場合」にも、タクシー代金の一部を助成するという形です。
介助者の経済的な負担を軽減するために、制度が拡充されたことは大変に素晴らしいことと思います。

仕組みは償還払い方式です。
介助者が買い物に利用する場合に利用したタクシー領収書と買い物レシートを添付して市役所に申請することで、タクシー代が後日清算されます。
本制度の詳しい利用方法について、根室市役所社会福祉課までお問合せ下さい。

ただ一方で、この償還払いの仕組みについて「煩雑で分かりにくい」「申請のために都度、市役所に行くのが大変」という声もあります。
制度の主旨や目的として大変有効な施策ですが、今年度から新たに始まったばかりです。
これからも利用状況や実態を分析しながら、必要な人にとって、出来るだけ利用しやすい仕組みとなるようさらに検討していくことが大切と考えます。


2020年度 根室市の出生数は115人に

 昨年度に国は新型コロナウイルス感染症への緊急経済対策として一人10万円の特別定額給付金を支給しました。
ただ、国の基準では4月27日以降に生まれた子は給付の対象とならないため、日本共産党の鈴木一彦市議が市独自に対応するよう議会で求め、市は昨年度末まで独自給付を行いました。
担当課の取りまとめによると、根室市に住民登録した児は4月28日~翌3月31日まで108人に計1,080万円給付したそうです。

ところでこの数字をみて少し驚いたのですが、根室市では昨年度の出生数は115人でした。
2019年度に比べて16人減少しています。
これが新型コロナの影響かどうかは不明ですが、グラフに並べてみると根室の少子化がますます進んでいることが実感されます。
根室市統計書からグラフを作成


新型コロナウイルスワクチン 在宅等の65歳以上の方は、 5月18日から接種開始の予定

 新型コロナのワクチン接種の根室市における予定について、私達にも様々なご質問を頂くことが多くなりました。
これまでに市対策本部会議で示された内容をお知らせします。
(4月19日の段階での予定です)

65歳以上の方は4月26日に予約開始、接種開始は5月18日から

市の予定では、まず高齢者施設等の入所者とその職員に4月末~6月にかけて接種します。
在宅の65歳以上の方は、接種券が入った封筒が市から届いた後、電話等で予約します。
接種会場は市総合文化会館です。地域ごとに無料バスも運航するそうなので、バスが走る日に合わせて接種日を予約すると便利かもしれません。
なお電話予約ですが、報道では全国各地でコールセンターに繋がりにくい場合も起きているようです。
インターネットでも予約できるので、ご自分がパソコン等を使わない方は、お知り合いに頼んでも良いかもしれませんね。

16歳~64歳の方は、7月以降の接種開始か?

それ以外の16歳~64歳以下の方については、6月ごろに接種券を郵送。実際の接種開始は7月頃から開始と予定されています。その中でも基礎疾患を有する方、60歳~64歳の方が、優先して接種していく形になります。
ただし国の指示やワクチン供給量が実際にどうなるのかによって、スケジュールは変更になる可能性があります。

ワクチンの副反応が出たらどうしよう?

ワクチン接種後に比較的起きやすい症状として、発熱のほか頭痛、疲労、筋肉痛、悪寒、関節痛などがあるそうです。
厚労省ホームページでは、必要に応じて市販の解熱鎮痛剤を使用するなどして様子を見るように呼びかけています。
ただし2日以上熱が続く場合や、症状が重い場合、ワクチンでは起こりにくい症状(咳や咽頭痛など)がみられる場合は、医療機関等への受診や相談が推奨されています。
根室市の感染症対策本部会議の資料から


2021年4月6日火曜日

日本共産党 コロナ禍の根室市民アンケートの結果について

 2021年4月6日

日本共産党根室市委員会は今年1月~3月にかけて、コロナ禍における市民アンケートを実施しました。たくさんのご意見ありがとうございました。

「生活が悪くなった」との回答が3割以上に

アンケートに200件の回答をいただきました。過去に行ったアンケートよりも回答数が多く、コロナ禍に対する市民の関心の高さ、切実さが伺えます。
高齢の方からの回答が多い中でも約33%がこの1年で「生活が悪くなった」と答え、うち約22%が収入3割以上の減少に。
具体的な理由として、「残業が減った」「お客様が減って、シフトが減らされた」「コロナで仕事の注文減少。キャンセル増」などコロナによる経済的影響が多く見られました。この他に年金が減額になったという声や、また漁業者からは「海水温の変化。シケが多くなった」「魚価安。操業日数の減少」が挙げられていました。
コロナ禍に加え、国の社会保障抑制、昨年の漁業の深刻な状況が重層的に、市民生活と地域経済に影響を与えています。

ワクチン接種の見通しや、感染した場合の対応に不安

コロナへの不安を聞いたところ、経済状況の落ち込みから収入面など今後の生活への不安や、ワクチン接種がどうなるのかについての声が多く挙げられていました。その他には、感染者の情報が不足していることや誹謗中傷への問題を指摘する意見も。
また「ひとり暮らしのため、感染した場合の入退院に関わる全てのこと。また入院先が無くなった場合の生活手段」などに不安との声も出されました。

外出自粛や人の集まりを我慢することによる影響も

「ここ一年、会食やサークル活動の中止で友人・仲間との電話やメール等のやり取りのみで自分を含め、物忘れや言葉のつまり、声の張りなど機能の低下を感じます。」「気晴らしのための友人との集まりもほとんど出来なくなった。高齢者であるがゆえに何をするにも周囲に気遣いをしなければならなくなりました。」等と、コロナ禍のもと、日常生活が大幅に変わったことで心身の影響や変化を感じている声もありました。

1年以上にわたるコロナ禍は、未だ収束の見通しが経ちません。引き続き、市民の皆さんの声をもとに必要な対策を求めていきます。

2021年3月29日月曜日

根室市の2021年度予算について(各事業・特別会計)②

 2021年3月16日~18日の日程で、2021年度の根室市議会予算審査特別委員会(各事業・特別会計)が開催されました。その内容について、一部を報告します(つづき)

国民健康保険事業特別会計

2020年度の国民健康険税の収納は、新型コロナや漁業不振などの経済状況の影響から761世帯が滞納見込みとなっており、加入世帯の約1/5にのぼります
ただその一方で、新型コロナに関連した減免の実績は、2月末時点で累計30件程度にとどまっており、本来的に必要としている人が利用できているのかどうか、引き続き周知などに努めていく必要があります
また対象について、前年度の所得が0円の場合に減免の対象にならない事や(均等割り部分が減免の対象になっていない)、非自発的失業者の場合ではコロナ関連の減免の対象外となっているなど、国の制度的な課題も引き続きあり、そうした問題について、政府に改善を求めていく必要があります。
なお資格証については、コロナの関係から2020年度は交付世帯は0件でした。

特定健診などは深刻な状況で、2020年度は1月までの数値で8.4%にとどまっています。2月の集団検診を加えても11%台と予想されているそうです。コロナの影響により、春先5月の集団検診が実施されなかったこと等が影響しているものと思います
また特定保健指導も2020年度は修了者は1.5%とごく少数に留まっています(2019年度は最終的に35.1%の実施率だった)
コロナのために外来の受診控えなども起こっていますが、こうした特定健診やまたがん検診なども受診率が低迷しており、疾病の早期発見が遅れることが懸念されます。
コロナ禍における安心安全な健診体制の確立は、新年度においても大きな課題と思います。
特定健診の受診率の推移(市保健課)

後期高齢者医療保険事業特例会計

2021年度は保険料の改定はありませんが、保険料の軽減特例が完全に廃止されます。所得が33万円以下の方が対象となっていた7.75割軽減から7割軽減となります。
これによって根室市の場合、1212人の方が保険料が実質的に値上げされます。
今後、国会では後期高齢者の医療費窓口負担2割化が狙われており、高齢者を必要な医療から遠ざけかねない制度改悪は許せません。

根室市では、2019年度から後期高齢者の歯科健康診査を実施しています。
歯科検診は、我々としてこれまで幾度も実施実現を求めてきたものです。
2019年度で2名、2020年度では現在6名の方が受診されいます。
受診率は0.5%程度で、全道的にも1%台の受診率というとても利用の少ない健診ですが、生活習慣病や介護予防について重要な健診であり、今後の利用拡大にむけて、あらたな取り組みが必要と思います。

市民交通障害共済事業特別会計

実施している市町村は数が少なくなりましたが、根室市として継続している優れた施策の一つと思います
ただ近年は加入率が低迷し、2020年度では46.1%に落ち込んでいます。
こうしたことから新年度では加入とりまとめを行う団体への加入奨励金を1件当たり20円引き上げ80円とし、市は加入促進を図りたい考えです。
高齢者や児童・生徒の加入割合は高いのですが、現役世代は町会加入率の低下とともに加入する割合も低下しており、町内会等以外にも今後、加入取りまとめのための新たな団体へ、例えば市内企業等へPRを進めていくことが重要と思います。
また新年度では新たに、根室市交通安全協会など他の交通安全関係団体と連携して、交通安全啓発活動用の資材を一括購入する計画とのことです。
なお、これまでの基金残高は約79百万円となっています。
市はこれまで基金を財源に、チャイルドシート購入助成や高齢者の免許返納にともなうタクシーチケット支給等のあらたな交通安全対策をすすめてきました。
今後について、さらなる基金を活用した対策をどのように進めていくのか課題の一つとなっています。

2021年3月28日日曜日

根室市の2021年度予算について(各事業・特別会計)①

2021年3月16日~18日の日程で、2021年度の根室市議会予算審査特別委員会(各事業・特別会計)が開催されました。その内容について、一部を報告します

港湾整備事業会計

港湾整備事業は2021年度予算では、特別大きな進展はありません。漁獲の深刻な低迷の中、水産上屋を含めた老朽施設の更新が、長年にわたる大きな課題です。
市は2019年度に根室港区側の1号水産上屋の更新にむけて基本設計を行いました。
衛生管理型の機能を有する施設として整備するために従来よりやや大型化する構想だそうですが、何よりも近年の人手不足などによる建設コストの増大によって1棟あたりの総工費が15億円程度にまで急上昇しています(7~8年前くらいは1棟を8億円程度と試算していたので倍近くに!)。
サンマをはじめとする近年の深刻な不漁により、港湾整備事業の収入のメインである漁獲物陸揚使用料が低迷しています。2019年度では輸入のウニが陸揚使用料のトップを占めました
今後についても水揚げ高の急激な回復に多くを期待できない中で、あらたな大規模工事に着手することに市としても二の足を踏んでいます。従来の水産庁の補助メニューだけでは港湾会計が立ち行かなくなる恐れがあり、現在は新たな補助制度の創設を国など要求している状態のまま止まっています。
ただそうはいっても、水産上屋の老朽化が進んでいることは間違いなく、また花咲港区側にも5棟ある水産上屋についても、順次計画的に対処をしていかなければならない状況です
根室港は漁港的な性質が強い重要港湾として、低迷する水産業を力強く下支えするために、今後の施設・機能整備のあり方をどのようにしていくのが、引き続き大きな課題となっています

水道事業会計

根室市は2019年4月から水道料金を値上げしたことにより、料金収入が大幅に改善しています。
2018年度と2019年度の比較では、給水収益は101百万円伸びています(その分の市民負担が増えたということです)
ところで基本的に人口減少で年々家事用の有収水量は減少していきますが、今年度はコロナ禍による外出自粛の影響によるものか、2020年度11月末時点の前年対比で1.9%増加しているそうです。
ただ長期的な見通しでは、2021年3月に市が策定した「根室市水道経営戦略」によると、10年後(2030年度)の有収水量は-16.6%減少する見込み(2019年度対比)となっています。
それによって経営的には、2029年度に4,473千円、2030年度では46,792千円の資金不足額が生じる見通しとなっています。
つまりこのままでは、8年以内に再び水道料金改定(値上げ)が予測されます
これは人口減と経済の縮小による有収水量の減少という根本問題だけでなく、老朽化施設の更新を含め、4億円~5億円規模の工事を毎年度行わなければならないためです
それだけ巨額の工事を継続しても、実際には老朽対策は追いついておらず、法定耐用年数(40年)を越える管路の割合である経年化率は、2018年度19%→2020年度末に25%程度まで伸びる見込みとなっています(その後は20%前後で推移する見込みです)

水道について、根室市は全国的に珍しく低所得者への減免制度をもっています
2019年度の値上げとあわせて、減免対象者を生保基準の1.1倍(減免率15%)の区分を創設しました(生保と生保基準以下の区分は減免率50%)
ところが制度の利用は、2019年度で1件(延べ12ヶ月分)、2020年度2月末で6件(延べ49ヶ月分)に留まっています。
制度が十分に広まっていない要因は様々にあると思いますが、今後のについて、減免の対象となる基準を生保の1.1倍からさらに引き上げていくことを検討する必要があると考えます。

前述の長期試算には、桂木浄水場の耐震化や大規模改修などの費用が含まれていません。
市水道ビジョンでは「2024年度までに水処理棟の更新方法を決定」する、としています。
その準備のために、市は2021年度から何年かかけて浄水場の耐震診断をはじめます。
それらの結果として、耐震工事が必要になるのか、又なんらかの改善工事が必要になってくるのか、現時点では不透明ですが、工事費が現在の見込みよりさらに膨らむ場合は、水道料金の見直しの時期が早まるおそれがあります。
これまで何度も指摘してきましたが、根本的には水道施設の更新に対する国の補助制度があまりにも手薄であるという大きな問題があります
国民の生命をまもるための大切なライフラインです。
あらため国に対して、これまで以上に強く制度の拡充を求めていく必要があります。
また、市の水道技術職の採用が困難な状況が続いています。
労務員を含めて、次年度は2名の欠員状態です。
公務員のため、給与や手当の水準を変えることは出来ませんが、技術の承継や来るべき災害・復興への対応のためにも、何らかの対策を早急にとっていく必要があります。

下水道事業会計

水道事業と同じく人口減と経済の縮小の中、以前のような収益性の高さは見込めませんが、「根室市下水道事業経営戦略」によると、10年後の2030年度までは、資金不足が生じない見通しとなっています
経営的に心配なのは、長寿命化計画にもとづいて終末処理場の整備を実施していますが、国の社会資本整備総合交付金が、希望する補助額が採択されないため、予定している工事が次々と先送りせざるを得ない状況が続いていることです
先送りを続けているために、再来年度(2022年度)には1,150百万円という莫大な工事の見込みとなっています。
ただ実際のところ、それすら国の補助がつくかどうかは、まったく不透明な状況です

病院事業会計

2020年の一般会計から病院への繰り出し金は1,757百万円(見込み)です。新病院建設後からずっと、ほぼ同じような水準の繰り出し金(15~18億円)を必要としています。
特に新型コロナの問題から、病棟の空床確保のため入院患者の制限、また外来では受診控えや受診間隔を長期間化させたこと、また支出面では感染予防や人工呼吸器をはじめ新たな医療器材の整備等を行うなど、新年度においても収支改善に向けて大変に苦しい状況がつづくものと考えられます
なお2020年度はコロナの空床確保分をふくめ国等からの補助金が265,308千円入りました。新年度は国など補助金の動向が不透明なため、当初予算の段階で特別減収対策企業債を284,300千円計上しています。

地域医療として不採算部門を担う公立病院である以上、一定の税金投入は絶対に必要です。
問題は、市の一般会計がどこまでこの水準の繰出金を保つことが出来るのか、という点です
2021年度は全国から頂いたふるさと応援寄付金が好調だったこともあり、「ふるさと応援地域医療安定化基金」から13億円繰り入れて賄うことができました
昨年秋頃の当初予算編成時点では市の一般会計が約12億円の財源不足だったことを考えると、病院への繰出金の財源ねん出が非常に困難だったとみることができます
ふるさと応援地域医療安定化基金の残額は14億円あり、たしかに2022年度も同額を繰り出すことは可能です。でも2023年度については、当然ながらふるさと納税は将来の財源を保障するものでないため、何の保障もありません。
あらためてこうした問題について、院内での論議を深めることはもちろんのこと、市民的にも十分な情報公開のもとに将来的な地域医療のあり方について、検討を進めていく必要があると思います

まずは毎年、少しづつでも収支を改善させるための取り組みを進めていくしかありません。
2020年度の見込みでは医業収益に対する給与費の比率は90%を超えています。経営としては極めて深刻なレベルです。ただ人件費の問題は病院としての医療機能に直結します。したがって将来的な「地域医療をどうしていくのか」という問題と一体のものとして考える必要があります。

その他の経費について、いろいろな課題はあるかと思いますが、今回の予算委員会では、橋本は病院の「企業債償還金」の問題を取り上げました。
新病院建設後も医療器具整備のために毎年、数千万円におよぶ起債借り入れを続けています。特に2019年度からは1億円以上になっています。
その企業債の償還額は年間約2億円近くになっています。新病院の建設工事費に要した起債を含めた償還ピークは2017年度の299百万円でした。
今後も同じ水準で医療機器の更新を続けていけば、それに近い償還額になります。ましてや後は新病院建設時に導入したCTやMRIなど大型機器の更新も必要になってきます。
参考までに医療機器整備のため2012年度に借入した7億円は、1年据え置き5年償還という短い償還期間のため、2014年度~2017年度でこの分だけでも単年度176,350千円の償還となっています。
自治体病院として、あるいは地域医療として求める医療水準と経済性のバランスをどのようにとっていくか。
専門的な話で、また病院内の現場の実情を踏まえた深い理解が必要な問題であり、あらためて院内でしっかりと論議を深めるよう求めました。

2021年3月23日火曜日

2021年 根室市議会 3月定例月議会 文教厚生常任委員会②

 2021年3月15日(月)
根室市議会3月定例月議会における文教厚生常任委員会の報告の続きです

議案第15号 根室市介護保険条例の一部を改正する条例

3年に一度、介護保険料が改定されます。根室市の2021年度~の介護保険料は、基金を9,900万円取り崩し、今期と同額の標準月額4300円(年額51,600円)としています。
このほか3年間は、国から公費が投入されるため所得段階の第1~第3段階まではさらに軽減されます(表)
根室市の介護保険料(2021年度~2023年度)

ところで、根室市の2020年度末の基金残高の見込みは294,560千円です
第8期計画(2021年度~2023年度)期間中に、そのうち約1/3の99百万円を取り崩します。
国はこれまで「計画期間の終了時の介護給付費準備基金の余剰額は次期計画期間に歳入として繰り入れ、保険料上昇抑制に充てることが一つの考え方」と保険者に示してきました
根室市介護保険の基金の残高は3億円近くあり、より多くの基金を繰り入れることで、介護保険料をさらに引き下げることが出来るのではないか、と質問しました
それに対し市は、将来の介護保険料は団塊の世代が75歳になる2025年に4,700円、団塊ジュニア世代が高齢者になる2040年に6,700円にのぼると見込んでおり、その時に保険料上昇を抑制するための基金を温存しておきたい考えを述べていました
市の言う将来に向けた備えを、という考えについては私も理解できます。
ただ一方で、19年後の2040年の話をされても、残念ながらその時には既に亡くなっている被保険者も多くいるわけで、計画期間中の給付費の一定割合を保険料で賄うという介護保険の財政的な基本からすると、自分たちが納付した介護保険料が自分たちの介護サービスに十分に活かされない状況というのは疑問を覚えます。
いずれにしても、介護サービスが多く提供されると連動して保険料も跳ね上がっていくという「悪魔のサイクル」について、国の制度を根本から改めさせていかなければ、日本の高齢者は将来も安心して介護サービスをうけることが出来ません。

議案第24号 根室市介護保険事業計画の策定について
議案第25号 根室市高齢者保健福祉計画の策定について

この2つの計画は、一体の計画として3年毎に改定されます。上記の介護保険料もこの計画をもとに算出されています
今計画の特徴点はいくつかあるのですが、そのうちのひとつに根室市独自の利用者負担軽減策として、認知症グループホームの入居者の費用負担の助成を新たに創設しました。
世帯全員が市民税非課税の方が入居する場合に、「家賃」部分を対象に1カ月あたり3万円を上限に助成するもので、高額な費用負担で入居することが困難だった方々を支える大切な取り組みと思います。

根室市は2025(令和7)年度に、要支援要介護認定者は1,959人(認定率23.1%)とピークを迎える推計をしています。2020(令和2)年度は1763人(認定率20.3%)ですので、今より200名近く介護サービスを必要とする可能性のある方が増える推計です。
根室市の要介護認定者の推移と将来推計
一方で市内の介護サービス提供体制は、引き続き厳しい状況が続いています。
市のアンケートでは「在宅での生活を希望する単身の方の割合は71.4%」にのぼります。そうした方々の在宅生活を支えるために重要な在宅介護サービスでは、ケアプランを作成する居宅介護支援事業所のケアマネジャーの体制が厳しい状況となっており、さらに今後、市内のデイサービス事業所と居宅事業所の撤退が予定されています。
撤退するデイサービスに通っていた利用者約60名、居宅介護支援の利用者約80名の方々を市内の他事業所や市役所で分担する形ですが、市内の各事業所もどこも一杯で利用調整がとても困難な状況とも聞きます。
こうした状況のまま、前述のように今後の高齢化の進展に伴い要介護認定者が増加しても、サービスの受け入れ先が無い「保険あって介護なし」の状況が、より深刻化しかねません。

国による介護報酬の抑制が続く中、介護事業所の収益性が低下し、全国各地でサービス事業所の廃業・撤退が増加しています。コロナ禍による収益源と経費増がその状況に拍車をかけ、またケアスタッフの確保も依然として深刻な状況となっています。
根室市では、これまで市内の介護事業所らが参加して人材確保テーマに協議してきた介護人材確保対策協議会を発展させ、新年度以降は介護事業者連絡協議会を立ち上げました。介護従事者のモチベーションやスキルアップを図る取り組みを推進する考えです。
そうした地域としての取り組みをさらに発展させつつも、根本となる介護報酬の拡充など国の制度をより良くさせていくための運動が必要と考えます。