2018年7月4日水曜日

根室市の災害弱者への対策はどうなっているのか?

 先日報道されていましたが、政府の地震調査委員会が公表した、今後30年以内に震度6弱以上の「揺れ」が起こる確率は、根室市は78%(前回63%)と大きく増加しました。
 いつか大きな地震は必ず起こる。そのことを前提として、科学的な最新の知見を取り入れながら対策を、今後も進めていく必要があります。
 また先般、大阪北部で起こった大地震でも、大変に痛ましい犠牲と多くの被害が生じ、その中で様々な教訓が明らかになりました。

古いブロック塀などの側は通らないようみなさん注意をして下さい
 市教育委員会によると根室市内の学校施設では、ブロック塀は無いそうです(なお市立図書館には低いブロック塀があります)。
 しかし、通学路全体では民間建物における古いブロック塀はたくさんあるそうです。特に危険と考えられる箇所について、学校を通じて、通学時などにその壁側を通行しないよう注意を呼び掛けている、とのことでした。
 みなさんも、ぜひお気をつけください。

災害時行動要支援者の安否確認が課題
 今回の大阪北部地震では、自力で逃げることが困難な「災害弱者」(避難行動要支援者)への安否確認について、各自治体で対応が大きく差があったことが、課題として指摘されています。例えば、支援を要する方の名簿はあっても、それにもとづく安否確認を行わなかったり、また個人情報の観点から、民生委員や自主防災組織などと名簿を共有できずに、安否確認に大変に時間がかかったこと等が報じられました。
 
 根室市でも法律にもとづいて「避難行動要支援者」の名簿を作成し、障がい者や要介護3以上の高齢者など合計69名の方が登録されています。
その名簿は本人の同意を得て、消防・警察・社協・民生委員・自主防災組織など「避難支援等関係者」と名簿を共有しています。また災害発生時には、同意を得ていない方についても各関係機関と名簿を共有することが計画に記載されています。
 ただし実際のところこれまで、この名簿を使って関係機関と連携した安否確認をおこなったことはありません。これまでは例えば台風などの際に、市の担当職員が直接電話等で安否確認をおこなってきました。
 それでは大きな災害が起こった時、その方を「だれが」「どこに」「どのように」避難させるのか。市によると現在、そのための「個別計画」の策定をすすめている最中とのことでした。

福祉避難所を有効に機能させるために
 災害時にいったん避難所に避難した後、障がい者や高齢者、難病患者など一般の避難所で過ごすのが難しい人のために、二次的な避難所として「福祉避難所」が開設されます。
根室市の福祉避難所は昭和町の根室市福祉交流館(旧昭和児童館)があります。さらに民間施設では、特別養護老人ホームはまなす園、介護老人保健施設セラピーこざくら、根室隣保院付属養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム勢和が指定されています。
 ただし根室市では、これまで実際に「福祉避難所」は開設したことがないため、だれが、どのように準備して、福祉避難所を運営するのか。そもそも福祉避難所に必要なベッドやオムツなどの物資は保管するスペースが無いため、現在は福祉交流館から離れた場所に保管されています。
また民間施設では、なにより入所している方の安全確保が最優先であり、外部から避難者を受け入れることが可能なのか、など様々な課題があります。
 こうした点もふくめ、市では今年度より「福祉避難所運営マニュアル」の策定に着手するとしています。
このマニュアルを策定する過程で、具体的なケースを想定しながら、必要に応じて地域と連携した避難訓練などを実施し、各機関で課題を共有しながら災害対策をしっかりと詰めていく必要があります。
福祉避難所に指定されている根室市福祉交流館

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