2018年6月29日金曜日

2018年 根室市議会 6月定例月議会 一般質問 ①/3

2018年6月19日に、根室市議会6月定例月議会で行われた、橋本の一般質問の内容について、一部を抜粋、ようやくおよび再構成して、ご報告いたします

1.「互いに支え合い健やかに暮らせるまち」について

(1)いつまでも安心して住み続けられる地域社会をめざして 

( 橋本 質問 )
 大項目の「互いに支え合い健やかに暮らせるまち」という表題は、市総合計画の政策目標のひとつであり、今年の施政方針の主要政策でもはじめに掲げられている。
 医療・福祉・子育て支援が包括されている分野だが、近年の社会的な情勢や地域の状況を踏まえた中で、その実現のためには市長としてどのような市政運営のあり方が大切だと考えておられるのか、見解を伺う。

( 市長 答弁 )
 私は、根室に暮らす誰もが、いつまでも心身ともに健康で生きがいを持ち、住み慣れた地域で安心して生活を送られることを願っている。
 そのためには、民生委員児童委員協議会をはじめ、様々な関係機関等と連携のもと、社会情勢や地域における生活環境を的確に捉え、きめ細かなサービスの提供を行っていくことが重要。
 また、地域住民が相互に支え合う環境づくりの醸成をはじめ、住民全てが差別のない共生社会の中で支え合いながら協働できる支援体制を整備するなど、将来にわたり安心して地域で暮らしていくための政策に取り組む。

(2)生活困窮者等の住まいの安定に向けて 

( 橋本 質問 )
 地域で独立した障がい者、高齢者、経済的な困難を抱える方にとって、しばしば居住の問題が生じる場合がある。
 根室市内にも低廉な民間賃貸はあるが、そうした情報は個人的なツテ頼りでほぼ共有されておらず、目的に沿った空き室を探すことが困難なうえ、実際には相当に老朽化が進んだ物件もあると聞く。
 市としてこうしたニーズに対応する住環境の整備に対して、これまでは市営住宅の整備が政策の中心だった。しかし市営住宅は、場所によって待機状況には差はあるものの、法制度で定められた入居条件や使用料の面から結果として入居に制限が生じるなど、必ずしも生活困窮者等のニーズに対応しきれていないケースがある。
 福祉政策と住宅政策を連動させた新たな視点からの施策について総合的に検討していく必要があると考えるが、市長の見解を伺う。

( 市長 答弁 )
 当市は、住宅確保に配慮が必要な方からの相談は減少傾向にある。しかし家賃や保証人等の問題から住宅確保に苦慮している方々がいるため、平成27年度、生活困窮者自立支援法に基づき離職等により、経済的に困窮し住宅を失った、若しくは失う恐れのある方に対し、安定した住宅の確保を支援するため住居確保給付金を一定の条件のもと支給している。
 また昨年10月に、住宅セーフティネットにより、民間の空き家・空き室を活用した住宅を必要とする方の賃貸住宅への入居に向けた支援制度が都道府県単位でありますが、施行されたところ。
生活困窮者の安定した住宅の確保に向け、議員ご提案の福祉政策と住宅政策を連動させた総合的な取り組みが必要と認識。庁内連携はもとより、他市の状況なども参考に検討したい。

( 橋本 再質問 )
 それでは「福祉政策と住宅政策の連動」を具体的にどうするのか?
 低家賃で入居可能な民間のアパートの情報について整理し民間とどのような連携が可能か検討すること。また制度的には住宅セーフティネット制度の活用の可能性の模索することが考えられる。道内では本別町の事例が参考になる。
 もうひとつは、用途廃止後の市営住宅を「福祉住宅」として検討できないのか。
 建て替えが進められている光洋団地をはじめ、今後「用途廃止」とされる公営住宅が多く出てくる。通常、速やかに除却されるが、それを公営住宅法のしばりを外した状態で、市の独自管理として、低所得者向けの住宅として再生し、活用できないのか。根室市では古い教員住宅を、移住体験住宅として活用している例がある。これらの点について、あらためて市長の見解を伺う。

( 市長 再答弁 )
 民間のアパートなどの入居については、生活困窮者自立支援法に基づき、住宅確保を目的とした給付金を支給しており、今後は、情報共有など連携の可能性について検討する。北海道が実施する住宅セーフティーネット制度については、制度活用の普及、啓発に向け取り組んでいく。
 また、用途廃止後の市営住宅の利活用については、他市町村における生活困窮者等に対する住宅確保の事例などを参考に住宅部局と連携しながら調査・研究をしたい。

(3)障がい福祉の充実について
 
①市内のサービスの充実に向けて

( 橋本 質問 )
 市の「障がい者計画」の策定時に実施されたアンケートでは療育手帳を所持している方の7割近くが父母等と同居しながらの生活。その父母等が高齢化していく中で、将来にわたって地域で自立した在宅生活を継続していくことに不安を感じる方もおり、また地域移行の点からもグループホーム等のサービス整備は今後もさらに重要になる。
 しかしニーズがあったとしても、新規の事業展開をすすめるには、人材の確保と財政的な問題が大きな課題。新たにサービス事業を展開しようとする事業者への特に財政支援を含めた市の支援策をまとめ、積極的に情報発信し、さらなる事業化を促進していくことが必要。その点の今後の市の取り組みについて。

( 市長 答弁 )
 「根室市障がい者計画」等のアンケート調査結果で「相談窓口の不足」や「サービス事業者が少ない」など社会資源が充足していないなどの回答を受けた。平成32年度までの計画期間内において、市内のサービス提供体制の拡充に取り組む。
 昨年11月に障がいのある方の支援のためのグループホームをはじめとするサービス提供を目的とした一般社団法人が設立されるなど、サービス提供体制の充実に向けた新たな動きが出ているところ。
 市として、障がい者福祉に寄与する事業者への支援策について、各自治体の事例などを参考に検討を進め、市内サービス事業所と連携を図り障がい者施策の更なる安定的な提供体制の構築に向け取り組んでいきたい。

②福祉避難所について
 
( 橋本 質問 )
 根室市では、いわゆる「福祉避難所」について、民間施設をふくめた避難所の指定がされているが、その具体的な運営はどのようになっているのか。
 災害という緊急時に適切な対応をするためには、計画にもとづき備蓄や避難訓練など日常からの準備が必要であり、それは福祉避難所についても同様。
 障がい者計画でうたわれる「地域との連携」を具体化していくためには、一般避難所での対応のあり方と福祉避難所の運営マニュアルの整備とあわせて、具体的な防災訓練を実施し、それらを通じて必要な対策について精査する必要があると考える。

( 市長 答弁 )
 福祉避難所は平成25年4月、二次的な避難施設として根室市福祉交流館を指定。さらに、平成27年12月に社会福祉法人根室隣保院、社会福祉法人根室敬愛会、社会福祉法人根室恵徳会の3法人が運営する4施設を新たに指定したところ。
 福祉避難所の運営は、災害発生時、市災害対策本部の要請を受け、各施設それぞれが速やかに受け入れ態勢を整えるとともに、市では、避難の長期化なども考慮した、食糧備蓄をはじめ、避難者に必要な保健・医療・福祉の有資格者などの人材確保に努めるなど避難者支援を行うこととしている。
 そのため、今年度より国の「福祉避難所設置・運営に関するガイドライン」などを参考に、「福祉避難所運営マニュアル」の策定に着手する。
 防災訓練等は、市地域防災計画に沿い、避難行動要支援者の態様に応じた防災教育や防災訓練の充実に努める。
 市として今後も、新たな福祉避難所の指定、防災知識の普及、組織・緊急連絡体制整備など災害弱者に配慮した支援体制の構築に向け取り組む。

(4)市水道料金の値上げの問題について
 
①料金の減免の状況と今後の方向性について

( 橋本 質問 )
 今回の料金改定では、基本料金の負担を厚くしたことが大きな特徴。その結果、もともと高いとされてきた市水道料金が、低所得者層にとっては今後ますます大きな負担に。
 根室市は全国的にも数少ない水道料金に対する減免制度をもつ自治体だが、制度の対象となる世帯は生活保護基準と同額。収入は保護基準をうわまわっても、税、医療・介護・年金など保険料、年金、医療費などの負担があり、保護を受けていない基準すれすれの低所得世帯の生活実態は、保護受給世帯以上にきびしい状況にある。
 以前、市はこの減免制度の軽減割合を拡大し、減免制度の利用数が伸びたが、それでもまだ必要な人にこの制度が届いていないのではないか。
 こうした現状をふまえた中で、減免となる対象の世帯の拡大にも踏み込むべき。

( 市長 答弁 )
 上下水道料金の低所得者に対する減免は、収入が生活保護法に基づく「最低生活費認定額」を超えない世帯を対象としている。減免率は、平成26年4月より、3割減免から5割減免と拡大した。
 利用実績は、拡大前の平成25年度では15世帯だったが、平成28年度は40世帯、平成29年度も40世帯となり、拡大前と比較して増加している。
 引き続き、市のホームページや上下水道の広報誌、更には、毎月検針している検針票、
納入通知書等において減免制度について、周知していく。
 今回の料金改定において、低所得者層にとっても負担が増えるため、福祉の充実といった観点からも、減免制度の継続を図り、対象範囲の拡大などについても、今後検討していきたい。

( 橋本 再質問 )
 政府は今年10月から生活保護の引き下げを今後3年間かけて段階的に実施する。当市における具体的な影響額はまだ示されていないが、こうしたことからも制度を必要とする方がますます対象から外れていく恐れがある。
 また、同じ建設水道部所管の市営住宅の減免は生保基準の1.1倍を対象(減額割合は漸減されてしまうが)、教育委員会の就学援助等は1.5倍を対象としている
 こうした部分をふまえ、緊急に対応していくべき。

( 市長 再答弁 )
 減免対象の拡大は、生活保護費の引き下げによる影響や関係部署における減免制度の状況などを調査し、今後、判断してまいりたい。

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