2018年5月2日水曜日

2018年 根室市議会 4月緊急議会 ②

2018年4月26日

根室市議会は4月緊急議会を開催しました
議案は臨時職員らを補充するための補正予算(11,088千円)と国民健康保険税条例の改正です(つづき)

国保税については今回の改正は大きく2点
2018年度の地方税施行令の改正により、
①保険税の課税限度額の引き上げ、
②保険税の法定減免の対象となる所得基準額の引き上げ、
が提案されました
日本共産党根室市議団はこの条例改正に反対し、
(より正確に言えば、①の課税限度額の引き上げの部分に反対)
またこの条例改正案を修正する「修正動議」を、無所属の保坂議員、久保田議員とともに発議しました
修正動議は賛成少数で否決され、市の提案する原案が可決しました

今回の論点について
国民健康保険税の限度額引き上げは、市議会でも毎回議論となります
前回の2016年度には限度額をこれまでより4万円引き上げました
共産党としてはこの時は賛成しています

そもそもなぜ課税限度額を引き上げるのか?
今回の条例改正は課税限度額を合計89万円→93万円にひきあげる内容です
私たちも、高所得者に応分の負担をしていただくことは、負担能力に応じた税負担の公平性から必要なことだと考えています
国は被用者保険の標準報酬月額の最高等級に該当する被保険者の割合が1.5%未満となるよう定めています
一方で国民健康保険は限度額超過世帯が全加入世帯占める割合は全国で2%以上あります
比較すると国保に加入している高所得者の方が「助かっている」ように見えます
その差を「是正」して、将来的にいわゆる「中間層」の負担があまり重くならないようにしていこう、というのが国の法改正の目的です

では、国保の被保険者の限度額超過世帯は、すべて「裕福な世帯」といえるのでしょうか?
以下は2016年の根室市議会5月緊急議会における答弁です
この中でも問題になるのは、我々事務を進める中でも総所得の金額の格差、これが最小が426万円という形であります。また、1世帯当たりの最大では約6,100万円という所得の世帯もございます…
ある一定の限度額で制限しているのだから総所得の最大が大きくなるのは当然ですが、
限度額超過世帯の総所得の最小が426万円しかないということは驚きでした
収入の20%以上が国民健康保険税ということになります
なぜ、このようなことになるのでしょうか
国民健康保険には被用者保険にはない応益負担(1世帯あたりの平等割、世帯に加入した被保険者数にかかる均等割)が課せられています
所得がそれほど高くなくても世帯内の被保険者数が多ければ、それだけ保険税が高くなる仕組みです
今回の条例改正でも、市の試算では限度額に到達する世帯の給与収入は医療分で、ひとり世帯が8,156千円に対し、5人世帯では6,905千円と格差が生じています
これは国民健康保険における国の制度上の矛盾です
こうした問題に対して、子育て支援や子どもの貧困対策の観点から、18歳未満の被扶養者の均等割りを減免する自治体も出てきています
いずれにしろ国保においては限度額超過世帯が必ずしも「裕福な世帯」と言えない理由の一つがこの「人頭税」方式にあります
当然ながら、この応益負担は低所得者層にも大きな負担となっています
こうした制度上の矛盾を抱えたまま、法定限度額と同額に引き上げることは問題です

今回も法定限度額まで引き上げる必要があるのか?
前述しましたが、それでも2016年度の条例改正のときは日本共産党根室市議団も賛成しました。
当時は国保会計が赤字となっている状態であり、また国からの特別調整交付金のうちいわゆる「経営姿勢分」という項目で約5,000万円程度交付されていましたが、法定限度額と同じくしているかどうかは、交付されるかどうかの判断項目の一つとして問われていたそうです
国が公的な責任を放棄し、国保税が高い要因を自治体や加入者におしつける方式ですが、それでも根室市国保にとっては貴重な財源であり、これら総合的に判断して「限度額の引き上げはやむを得ない」と判断したためです

しかし今回は、都道府県単位化となった初年度です
北海道へ支払う納付金の額からみて、根室市国保は保険税の引き下げが可能だったにもかかわらず、過年度の赤字分を繰上充用しているために、その分を6年間で解消するための計画をたてました。
そのため2018年度は実質的に加入者が負担する保険税はほとんど変わらない税率となりました
新年度に調停された賦課課税の総額や保険税収納率が大幅に予算から狂わなければ赤字になることはありません
また限度額引き上げをしないことによる、国保財政上における国等からの「ペナルティ」も明示されていません
根室市の試算では、限度額の引き上げにより年間1,300万円程度増収となり、6年間の赤字解消計画を5年間に短縮できる見込みとなります
それでは、なぜ赤字解消計画を前倒しする必要があるのか
保坂議員の質疑に対して、市は「早期に赤字を解消することで、早めに『手』をうつことができる」と答えます
しかし、納付金は3年をめどに見直しがされることが表明されているそうです
今後どのようになるのか全く見通しが立たないのが実情です
早めに赤字を解消できる保証などないことは、その後に質疑に立った工藤議員に対して、市も答弁しています
つまり、将来どうなる変わらないので、自主財源である保険税は出来るだけ多くとっておこう、というのが市のスタンスとして読み取れます

今回の論点はここにあります
①将来どうなるかわからない国保の財政状況に対して事前に備えるべきなのか?
または、
②差し迫った財政上の問題が無い中で、今の制度上の矛盾を抱えたまま国の言う通りに限度額を引き上げ、裕福とは言えない階層に対しても負担を大きくすることは問題でないのか?
という点です
将来が見通せないため、現時点でどちらが正解かを予測することは正直言って困難ですが、今回は日本共産党根室市議団としては後者の立場にたちました
限度額の引き上げは財政上の課題が明らかになってから対応しても遅くないと考えます

根本的に国が公的責任を果たすべき
千葉議員の質疑に対し市長は、「国保税が高い原因は国の責任であり、全国市長会としても改善を求めているが、市議会としても積極的に国に訴えてほしい」という趣旨の答弁をしていました
この点はまさにその通りだと思います
国の国保の都道府県単位化の根本的なねらいが「医療費の抑制」と「医療給付費に対する公的支出の削減」である以上、制度スタート時は保険税の激変緩和などソフトランディングさせても、将来的に様々な方策で「締め付け」をしてくることが十分に予想されます
それに対して国民健康保険の「社会保障」としての位置づけをまもり、住民の命と健康をまもる最後の砦として制度をしっかりと堅持できるよう、国に対して今後も強く求め続けていく必要があります

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