2017年1月28日土曜日

根室市沿岸漁業資源利活用研究事業 提言(骨子)

2016年1月24日

根室市では、
ロシア海域のさけます網禁止等これまで地域を支えてきた基幹産業を取り巻く環境が大きく変化するなか、
今年度から漁業の構造転換を目指し、学識研究者等による調査研究事業を行ってきました
この事業は研究部門と流通部門でそれぞれ調査を進めて来ており、
この度の「合同会議」では、根室市の沿岸漁業における現状と課題、今後の目指すべき姿等をとりまとめた「提言(骨子)」が示され、それに基づく意見交換が行われたそうです

市によると合同会議で出された意見を踏まえ、提言を成案化し、それに基づく市としての沿岸漁業の目指すべき将来像である「根室市沿岸資源利活用ビジョン」を策定する予定となっているそうです

沿岸漁業資源利活用研究事業の目的は、
根室半島の沿岸域について、より有効な利活用を図るために、底質改善・しゅんせつなどによる新たな漁場の可能性、漁法、魚種、海洋環境、資源管理などあらゆる視点から根本的な構造転換を模索し、加工・流通も含め一体となった地域の底上げを図る
としています

今回示された「提言(骨子)」では、
根室市の水産業は全道全国的に見ても豊かな沿岸漁業生産力を有し、かつ大規模水産加工基地としての高い加工技術と規模の集積があると指摘します
サケマス流し網禁漁等による生産減や沖合い漁業でも資源量や漁場形成不安定さといった不安材料があるが、沿岸漁業はそれらのマイナス要素を吸収する生産規模と可能性を有しているといいます。
これらの優位性を生かして、関連産業が多用に連携した力強く複合的な水産関連産業の集積を目指していくべきとしています

提言(骨子)は根室市沿岸漁業の目指すべき全体像を、
「水産都市根室」の基幹を市民産業としての生き生きとした生産体制の確立、を掲げています

(以下、抜粋)
沿岸漁業生産の目指すべき姿
沿岸域の豊かな生産力を戦略的に維持・拡大した持続的で安定した活力ある漁業生産体制の構築。
①根室市の沿岸域の状況をよく理解する。
②資源・海域の特性に適合した効果的な資源増大対策の実施と適正な資源管理を展開する。
③ロシア200海里内サケマス流し網禁漁代替としての新規漁業(ホタテ漁業・ベニザケ養殖業)を事業化する。
④内湾・湖沼等これまで未利用であった海域を有効に活用する。

沿岸漁業資源の高付加価値利用の面で目指すべき姿
関係者の活発な意見交換の下、水揚げされた漁獲物を大切に活用する流通・加工体制の確立。
①漁獲物の高付加価値化に向けた協議体制を確立する。
②鮮度・衛生管理等沿岸漁獲物の高付加価値化に向けた対応基準を確立する。
③根室市水産物のブランド商品化に向けた消費者ニーズの把握や開発支援体制を構築する。
④根室の地域ブランド確立のためのイメージ構築・PR活動を戦略的に展開する。
⑤水産物の成分に着目した商品開発を行う。

沿岸漁業就業者確保の面で目指すべき姿
共同・協業の理念の下、高齢化による生産力低下を補完し、生き生きとした生産・経営活動を実現する。
①労働力確保・協業経営等の可能性について検討を開始する。
②省力機器開発を促進する。
③生産技術の伝承について取り組む。

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